日記
学年を越えての学習 その3
一人ひとりの学習のようす、本人の希望、やる気によって、学習の進め方に違いはあります。
しかし、どの子にも学年を越えた学習ができるようにしていくことは、“考える力”をつけていくためにも意義あるものです。
というお話を前回までにさせていただきました。
では、お母さまの質問にあった『理解できているのか心配です』について考えてみます。
公文式の教材は、どの教科も一人で学習できるよう工夫されています。
驚くことに、各教科の研究チームが常に教材をより良いものにと、何回もの改訂を繰り返しているのです。
その工夫の一つが、スモールステップです。
ほんの少しづつ、きめ細かく進めていくというものです。
また、例題をよく見て、考えることで、問題の解き方が学べるようになっている点です。
子どもたちは見よう見まね、自分の考えで、プリントを進めています。
理解できているのでしょうか。
答えはあっているけど…
大人が思うような理解は、できていないのかもしれません。
詳細な説明を聞いて、分かったような気になったけど、問題を解こうと思うとよく分からない、できない。
ということが、よくあると思います。
公文式は問題を解くことから始めます。
問題に果敢に挑戦していくのが、公文式なのかなとも感じます。
学校の授業で、子どもたちはすでに学習したことのある問題を見ます。
先生がいろいろな説明をしてくれます。
その時に初めて『そいうことだったのかぁ』と腑に落ちることもあると思います。
見よう見まねだったものが、完全形となって自分のものになる瞬間だと、私は思っています。
今までの説明は、どちらかというと数学(算数)について当てはまるかもしれません。
では、国語や英語はどうでしょう。
続きは次回に
学年を越えての学習 その2
前回に続き
“考える力”と一言で言っても、簡単に誰でも出来ることではありません。
やはり、小さい頃から考える癖をつけて初めて、
『小学生なのに、よく一人で考えて問題を解けるよね。』
『中学生になって一人で考えて学習できるから、手がかからないわ。』
というふうになるのだと思います。
誰かに教わるということに慣れてしまうと…
必ずと言っていいほど、『わかりませ〜ん』を連発することになります。
確かに分からないことを教わる、ヒントをもらうといったことも必要です。
でも一度さらっと問題を見たり読んだりしただけで、分からないではなく、今まで学習してきたことを思い出しながら、もしかしたらこうかなぁ、あぁかなぁ。それとも…と考えることが大切です。
もし、正解だった時に、
『すごいね!あってるよ』
『初めての問題を一人で考えられるなんて、たいしたものだ!』
『こんなに難しいのにどうやって解いたの?』
というように、周囲の大人が認め、逆に教えてもらうくらいの気持ちで接することで、子どもたちは自信をつけ、自分で考えることを楽しむようになるはずです。
子どもが難し過ぎると感じているのに、学年をどんどん越えて学習する必要はありません。
その子がちょっとだけ難しいかなと思う程度、チャレンジしたいと思う程度の学年を越えての学習は、必要不可欠です。
当然、まだまだ自分の学年までの復習が必要な場合だってあります。
子ども一人ひとりに合わせて、その時々に必要な学習をすることが、より大きく伸ばすことにつながります。
もし、具体的に聞きたいことなどありましたら、遠慮なくメール、電話等でお問い合わせくださいね
次回は続けて、“理解できているか心配です”について考えていきましょう!
問題が難しくなり、理解できているか心配(アンケートより)
『学習が進み、問題が難しくなってきています。
内容が理解できないまま、先に進んでしまうのではと心配になります。』
今後気になることとして、ご記入いただきました。
まったく同じ質問ではないにせよ、学年を越えての学習が高くなるほど、心配される質問はよく伺います。
『子どもは先に進みたがるが、高教材を学習する意味はあるのでしょうか』
『プリントを解くのに時間がかかり、学習が嫌になってしまうのでは…』
まず、学年を越えて学習できるお子さまはどんな感じかというと
1. 家庭学習がしっかりできる環境にある
2. お子さま自身の能力が高い
3. お子さま自身にやる気がある
この3つのレベルが高いほど、学年の越え具合(2年先、5年先を学習中など)も比例して高いのを感じます。
特に3番の、お子さま自身にやる気があるかどうかが一番重要な気がします。
ここで、学年を越えることが必要かどうかを考えてみましょう。
私はいつも皆さんにお話するように
“ 子どもたちどの子にも、昔からよく言う、読み・書き・そろばん(=計算)の基本的な力を身につけ、社会人になっても困らない学習能力を駆使して、生活できる人になってほしいと思っています。”
そのためには、子ども自身に能力が備わっているにもかかわらず、学校の学習についていけないようでは困ります。
基本的なことは、幼児さん小学生のうちに、反復練習を繰り返すことで必ず身につきます。
悲しいことに当然、能力差はあります。
1、2回見ただけで、できるようになる子もいれば、5回学習しても大変な子だっています。
それでも、中学生、高校生になった時のことを考えれば、今のうちに身につけさせる努力を、周囲の大人がさせなければいけないと思っています。
ですから、学年の内容を学習するのは当たり前のことなのです。
では、能力の高い子どもだったら…
私は学年にこだわらず、先に進むことが大事だと考えます。
教科書にも載っていない、学校でもまだ習っていない、見たことのないことを考えてみることこそが、考える力の原点なのだと思っています。
今まさに、考える力の必要性が問われていますよね。
この続きは次回に
パパ・ママの評価厳しいかも
いつものようにお迎えのパパさんに、
『◯◯ちゃん今日もとってもよくできていましたよ!』
◯◯ちゃんも『一人でもすごくがんばったよ』とパパに報告。
ところが…
パパ『そうですかぁ?学習のようすを窓から見ていたら、先に仕上げたプリントを見ながら、次のプリントを解いていたので、それって考えていませんよねぇ』
的なお返事。
実は足し算や引き算を学習中の小さなお子さまにはよくあることなんです。
公文式のプリントって、1枚に20題(表面、裏面合わせて)前後の問題数は当たり前。
教室ではそれを10枚解くわけなので、200題です。
私たち大人なら、2+3=5、8+8=16、5+6=11という具合に楽勝ですが、始めたばかりの足し算学習者ですよ!
指や鉛筆で点を書いたりの数え足しで、200題こなすなんて、考えただけでもって感じですよね。
実は私たち大人は、九九を覚えるように、一桁どうしの足し算を覚えているのです。
2と3で5、5と5は10、6と7は13というように。
足し算、引き算は3つの数の組み合わせで成り立っています。
この3つの数字が瞬時に思い浮かぶことによって、レベルの高い計算力が身につきます。
小さな子たちにこそ、この時期に3つの数の組み合わせを、体に染み込ませたいですよね。
というわけで、覚えるまでは前のプリントを参考にしたり、先生から『3と7はぴったりの10だよね』といったヒントをもらったりして、確実に計算力のレベルをあげています。
だんだん慣れてくるとスラスラ何も見ずに、考える間もないぐらい瞬時に答えを書くようになります。
足すや引くの概念は、普段の生活の中で培っていくのが一番です。
『◯◯ちゃんに飴を2個、お兄ちゃんにも2個、合わせて4個だよね。』
『2+2=4ってことだよ』っていうふうに、少し教えてあげるだけで大丈夫。
安心して見守りつつ、『一人でできたなんてすごいよ』と褒めていきたいですね。
パパも私のお話を聞いて、『そうだったのですね。◯◯ちゃんえらかったね』
と笑顔で、親子仲良くお話しながら帰っていきました。
表彰制度
入会3ヶ月のお子さまのママから、
『前回銅メダル🥉をいただいたのですが、どんなタイミングでいただけるのですか?』
と聞かれました。
記念の写真を撮っているのを見た子どもたちは、『わたし(ぼく)はいつもらえるの?』とたずねるので、その時に説明するようにはしています。
教室入口に、たくさん飾られてもいますが…
シャイなお子さまですと、聞くこともできず、いつもらえるのかなぁと思っていたりするかもしれませんね。
A教材(小学生1年レベル)進級時・・・銅メダル《当教室のみ》
C教材((小学生3年レベル)進級時・・・銀メダル《当教室のみ》
E教材(小学生5年レベル)進級時・・・金メダル《当教室のみ》
G教材(中学生1年レベル)進級時・・・中学課程進級記念キーホルダー《公文式より》
J教材(高校生1年レベル)進級時・・・高校課程進級記念キーホルダー《公文式より》
上記メダル・キーホルダーは各教材の終了テスト後、次の教材に入るともらうことができます。
その他に
公文式(正式名:公文教育研究会)が設定している表彰は以下の通りとなります。
学年度末(3月末時点)に3学年先の教材を終了(小3であれば、G教材を学習中)・・・ガラスのオブジェ
中学生教材を終了後、公文式主催の認定テストに合格 ・・・氏名が彫られた盾(かなり豪華ですよ)
表彰されることは、目標として目指すうえでも、頑張ったご褒美としても、大変嬉しく、今後のやる気にもつながる意義のあることだと思います。
その中で、私が一番大事にしている表彰は、当教室オリジナルで設けている“継続努力賞”です。
8割から9割が幼児さん、小学生低学年での入会となっている当教室では、どの子も中学生教材をしっかり学習でき、すべての基本となる自学自習力を付けて欲しい。
小学生のうちに、出来る限り高い学力を付けて、中学生になって欲しい。
との思いもあり、小学生6年を卒業するときに、継続努力賞を名入れで贈っています。
もちろん中学生になっても、継続して欲しいことは言うまでもありませんが、小学校卒業という節目までしっかり頑張りきったことに対する表彰となります。
ぜひ、どの子にも頑張っていただき、必ずやり抜けるという経験を持ってほしいですね❗️